LPガスの基礎知識

LPガスとは?
みなさんは容器の中に入っているLPガスが液体だということを知っていましたか?
LPガスは石油ガスを液化したもので、正確には液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas)といいます。そしてこの頭文字を取ってLPG=LPガスといいます。
LPガスの成分や性質、都市ガスとの違いについてなど、ガスの基礎知識をご紹介します。

 

1.LPガスの種類

家庭で使われているLPガスの主成分は、プロパン(C3H8)がもっとも多くなっています。このためLPガスはプロパンガスとも呼ばれています。また、ガスライターの中に入っている液体はブタン(C4H10)と呼ばれる成分で、LPガスの一種です。このように、LPガスとして用いられているガスは、炭素(C)の原子数が4以下の炭化水素(CH)の混合物になっています。

2.LPガスの重量

気体のLPガスは空気より重く、空気の1.5~2倍の重さになっています(100%プロパンの場合、15℃・1気圧で1.865kg/m3)。
そのため、家庭などでLPガスが漏れた時は、床面をはうように広がり、低い場所にたまる性質があります。万が一ガスが漏れた際は、特に下方の風通しを良くし、ガスを屋外に出すようにしてください。
一方、都市ガスは空気より軽く、漏れた場合は天井の方へたまっていく性質があります。

3.LPガスの性質

LPガスは簡単に液体になる性質があります。液体になると、体積は気体の時の約250分の1になります。輸入したり、ご家庭にお届けしたりする時には、液体にして効率よく運んでいる、というわけです。

4.LPガスのにおい

LPガスは本来においがありません。しかし、ガスが漏れた時にすぐに気づくように、ガス特有のにおいをつけています。このにおいの成分は、ガスが燃焼すると無臭になるので、LPガスが正しく使われている限りは臭うことはありません。
もしもガス臭いと感じたらすぐにご連絡ください。
※ガス容器の残量が少なくなると使用後にガスの臭いがする場合 があります。念の為点検にお伺いしますのでご連絡ください。

5.液化プロパンガスの沸点は?

液化プロパンの沸点は-42℃です。室温の状態ではあっという間に気化してしまうのです。
気体のLPガスは、冷却と加圧により簡単に液化します。ボンベには液化した状態でLPガスが入っています。
※近くで焚き火などをするとボンベが高温になり圧力が上昇するため、安全弁が作動して空気中にLPガスを放出することがあります。
※液体のLPガスに触れると凍傷になることがあります。

6.プロパンの発熱量は?

気体のプロパン1m3を燃やすと99MJ(24,000Kcal)、ブタン1m3は128MJ(31,000Kcal)の熱量を発生します。また、重量1kg当たりではプロパン、ブタンともに50MJ(12,000Kcal)の発熱量があります。 これに対して都市ガスは46MJ(11,000Kcal)です。気体のプロパンは都市ガスより約2.2倍の熱量があります。

7.プロパンの燃焼範囲は?

プロパンが空気と混ざり、空気中の濃度が2.1%~9.5%(ブタンは1.8%~8.4%)の範囲で燃えたり爆発したりするのです。したがって、LPガスが漏れた場合、少量でも爆発の危険性がありますので、ガス警報器を設置して微量のガス漏れでも検知できるようにするなど、十分ご注意下さい。
ガス警報器についてはガス警報器工業会ホームページをご覧ください。

8.様々な用途で使用されているLPガス

LPガスは家庭以外にも様々な分野で活躍しています。
この他にも、屋台や道路工事の燃料等にも使われています。

アウトドア用
携帯コンロ
タクシー燃料 フォークリフト燃料 工業用
LPガス貯槽
スプレー缶

LPガス設備について

LPガスの各設備は、法律により、皆さまが点検・維持管理を行う設備とLPガス販売店が点検・維持管理を行う設備に分かれています。


LPガス販売店が責任を持って点検と維持管理を行う設備
LPガス容器からガスメーターの出口までは供給設備と呼ばれ、LPガス販売店が、責任を持って点検と維持管理を行います。


お客様が日常的に点検と維持管理を行う設備
ガスメーターの出口からガス器具までは、消費設備と呼ばれ、法律上の管理責任は消費者の皆さまにあります。
日常の点検・維持管理は、LPガスを使っているお客様で行います。

LPガスのメリット

1.人と環境にやさしい

LPガスは化石エネルギー(石油・石炭・天然ガス・LPガス)の中でも天然ガスとともに地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の排出量が少なく、燃焼時に発生する排気ガスは人体に有害な物質をほとんど含みません。地球温暖化をはじめ、さまざまな環境問題に貢献するクリーンなエネルギーとして注目されています。また、LPガスは体積あたりの総発熱量が天然ガスに比べるとプロパンは約2.5倍、ブタンは約3.3倍と非常に高く、環境によいことと併せハイパワーで高品質なガス体エネルギーです。
都市ガスと比較してカロリーが高い高品質で使いやすいエネルギーです。

2.持ち運びに優れ利便性が高い

LPガスは低い圧力で容易に液体にすることができます。
液体時の体積は気体時の体積の約250分の1になるので、LPガス容器に充てんして一般家庭や商業施設、工場などにエネルギーを効率良く運搬できます。どこにでも運ぶことができるため、離島や山間部等での重要なエネルギー源として利用されています。

LPガスは産油国からタンカーによって大量かつ経済的、そして安全に運搬されます。日本と産油国の間では、エネルギーの安定供給を目的に長期輸入契約が結ばれ、さらに計画的な備蓄体制が義務づけられているため、産油国での紛争など有事の際にも安心してLPガスをご利用いただけます。

3.自然災害に強い

LPガスはガスボンベやガスバルクでの単独での供給形態になっておりますので、万が一の災害の際にも安定したエネルギーを供給することができます。
使用量にもよりますが、お客様のお宅に置いてあるガスは1ヶ月程度持ちますので安心です。
1戸単位で安全を確認して復旧が可能なため、復旧までの時間が短い特性をもっています。

4.発熱量は都市ガスの約2倍

都市ガスと比較して発熱量が大きく、レストランなど強力な火力が必要とされる場所でも重宝されています。

安全対策について

1.マイコンメーター

ガスメーターにマイコンを搭載しており、ガスの流れや圧力等に以上が発生した場合に自動的にガスを遮断したり、警告を発したりする機能をもった保安万全なガスメーターです。異常の内容はガスメーターに表示されます。

2.Siセンサーコンロの安全装置

すべてのバーナーに安全装置取付が義務付けになり、より安全にご使用いただけるようになりました。
・過熱防止装置
・立ち消え安全装置
・消し忘れ消火装置
・空焚き自動消火機能 他

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